
外陰部の解剖学:やさしく学べる完全ガイド
外陰部(がいいんぶ)について理解することは、自分の体を知り、健康を維持し、自信を高めるための鍵となります。外陰部とは女性器の外部、つまり外側から見えたり触れたりできる部分を指します。これは、内部の管である「膣(ちち)」とは異なります。外陰部は、遺伝、ホルモン、年齢、あるいは思春期や出産などのライフイベントによって、大きさ、形、色、対称性が人それぞれ大きく異なります。
このガイドでは、各部位について平易な言葉で説明し、解剖図をイメージしやすいように解説を加えています。図解では、外陰部を正面から見たイラストを想定し、各構成要素を明確にラベリングしています。
外陰部の解剖学:概要

足を少し開いて、外陰部を正面から見ている図を想像してみてください。一番上には柔らかく丸みを帯びた盛り上がりがあり、通常は陰毛が生えています。その下には、カーテンのようにそのエリアを囲む2つの外側のひだがあります。内側には、尿の出口と膣の入り口を含む中央エリアを囲む、より薄いひだがあります。このエリアの最上部には小さくて敏感な突起があり、底部には肛門(外陰部には含まれません)へと続く滑らかな皮膚があります。
図解には以下の項目が含まれます:
- 上部の恥丘(ちきゅう)
- そのすぐ下にある陰核(いんかく/クリトリス)
- 両サイドの大陰唇(だいいんしん)
- その内側にある小陰唇(しょういんしん)
- 中央にある尿道口と膣口
- 底部の会陰(えいん)
これらの部位は、内臓を保護し、排尿、月経、性的快感、そして出産を可能にする役割を担っています。
表:外陰部の解剖学的部位まとめ
| 部位 | 位置 | 機能 | 図解での見え方 |
|---|---|---|---|
| 恥丘 | 最上部、恥骨の上 | クッション機能とフェロモンの放出 | 上部の盛り上がり、陰毛の影 |
| 大陰唇 | 恥丘から会陰までの外側のひだ | 保護機能、興奮時の膨張 | 外側の曲線 |
| 小陰唇 | 中央エリアを囲む内側のひだ | 感覚受容と潤滑の補助 | 内側の波状のライン |
| 陰核(クリトリス) | 小陰唇が合流する最上部 | 性的快感とオーガズム | 上部中央にある小さな突起 |
| 尿道口 | クリトリスの下方、前庭内 | 尿の排出 | クリトリス直下の小さな点 |
| 膣口 | 尿道口の下方 | 経血の排出、出産、挿入 | 下方の楕円形の入り口 |
| 前庭 | 小陰唇に挟まれた中央部分 | 尿道口と膣口を含む入り口エリア | 中央の影のかかったゾーン |
| バルトリン腺 | 膣口の両脇 | 潤滑液の分泌 | (別図で示される)小さな卵型 |
| スキーン腺 | 尿道口の両脇 | 潤滑液分泌、尿路感染の防止補助 | (別図で示される)小さな点 |
| 会陰(えいん) | 膣口と肛門の間 | 骨盤内臓器の支持、感覚 | 底部にある平坦な部分 |
各部位の詳細解説
ここでは、それぞれの部位の役割と、図解での見え方について詳しく説明します。
1. 恥丘(ちきゅう/Mons Pubis)
- どのようなものか:恥骨を覆う脂肪組織のクッションで、思春期以降は通常陰毛に覆われます。
- 位置:外陰部の最上部、下腹部と太ももが交わる場所です。
- 機能:性行為や活動時の衝撃を和らげ、また匂い腺からフェロモンを放出して引きつけ合う役割をします。
- 図解では:上部にある三角形または丘状のエリアで、毛を示す影がついており、「恥丘」とラベル付けされています。
2. 大陰唇(だいいんしん/Labia Majora)
- どのようなものか:外側の2つの厚い皮膚のひだ。外側には毛が生えていることが多く、表面は滑らかだったり、シワがあったりします。
- 位置:恥丘から会陰まで伸び、内部の構造を包み込んでいます。
- 機能:興奮時に血流が増えて膨らみ、内部を保護し、適度な湿り気を保ちます。
- 図解では:両サイドにある外側の曲線で、厚みを感じさせる影があり、「大陰唇」とラベル付けされています。
3. 小陰唇(しょういんしん/Labia Minora)
- どのようなものか:内側にある薄く毛のない皮膚のひだ。大きさ、形、色(ピンクから褐色)は多様で、左右非対称なことも一般的です。
- 位置:大陰唇の内側、クリトリスを覆う部分から会陰まで。
- 機能:神経が豊富で、興奮時に膨張します。潤滑を助け、排尿時の流れを整えます。
- 図解では:内側の波状のラインで、色はやや明るめに描かれます。上部は「陰核包皮」、それ以外は「小陰唇」とされます。
4. 陰核(クリトリス)
- どのようなものか:外側に見える小さな突起(陰核亀頭)は、実は内部にある大きな構造の一部です。小陰唇から続く包皮に覆われています。
- 位置:小陰唇が上部で合流する場所、恥丘のすぐ下にあります。
- 機能:1万以上の神経末端が集中しており、快感を得るための器官です。多くの人にとってオーガズムの鍵となります。
- 図解では:上部中央にある小さなボタンのような構造で、「陰核」とラベル付けされています。
5. 尿道口
- どのようなものか:尿を排出するための小さな穴です。
- 位置:クリトリスの下、小陰唇に挟まれた中央エリア(前庭)にあります。
- 機能:膀胱から尿を体外へ出します。近くにあるスキーン腺は、興奮時に液体を分泌することがあります。
- 図解では:クリトリスの下にある小さな点またはスリットで、「尿道口」とラベル付けされています。
6. 膣口(ちこう)
- どのようなものか:膣の入り口です。処女膜(伸縮性のある薄い膜)で一部が覆われていることもあります。
- 位置:尿道口の下方にあります。
- 機能:経血の排出、出産時の産道としての役割、タンポンなどの挿入箇所となります。伸縮性があり、自浄・潤滑作用があります。
- 図解では:楕円形またはスリット状の開口部で、「膣口」とラベル付けされています。
7. 前庭(ぜんてい)
- どのようなものか:小陰唇の内側にある滑らかで敏感なエリアです。
- 位置:左右の小陰唇の間で、尿道口と膣口を含んでいます。
- 機能:勃起組織(前庭球)を含んでおり、興奮時に膨らむことで快感を高めたり、入り口を締めたりします。
- 図解では:中央の影がついたゾーンで、「前庭」とラベル付けされています。
8. バルトリン腺
- どのようなものか:膣口の両脇にある2つの小さな腺です。
- 位置:膣口の下方、やや奥まったところにあります。
- 機能:興奮時に粘液を分泌し、摩擦を減らすための潤滑を助けます。
- 図解では:別図の断面図などで小さな卵型として示されるか、膣口近くの点線で「バルトリン腺」とラベル付けされます。
9. スキーン腺
- どのようなものか:尿道近くにある小さな腺で、男性の前立腺に近い性質を持ちます。
- 位置:尿道口の両脇にあります。
- 機能:潤滑液を生成し、尿路感染症の予防を助ける可能性があります。内部的にはGスポットとも関連しています。
- 図解では:尿道口近くの非常に小さな点として示され、「スキーン腺」とラベル付けされます。
10. 会陰(えいん/Perineum)
- どのようなものか:膣口と肛門の間にある皮膚の部分です。
- 位置:外陰部の最下部です。
- 機能:骨盤内の臓器を支え、神経末端が多く、出産時に重要な役割を果たします。
- 図解では:底部の平らな部分で、「会陰」とラベル付けされています。
図解の説明
図解は、足を広げた状態で外陰部を正面から捉えたイラストです。各部位は明確なラインとラベルで示されています:
- 恥丘:最上部の盛り上がり、陰毛の影付き。
- 大陰唇:外側の厚みのある曲線。
- 小陰唇:内側の薄いライン、上部で陰核包皮を形成。
- 陰核(クリトリス):上部中央にある目立つ突起。
- 尿道口:クリトリスの下の小さな点。
- 膣口:尿道口の下にある大きな楕円。
- 前庭:これら開口部を含む中央のゾーン。
- 会陰:一番下の皮膚のエリア。
健康とセルフケアのヒント
外陰部の血流(陰部動脈)は興奮時に充血を引き起こし、陰部神経が感覚と快感を司ります。健康を維持するために:
- 洗浄はぬるま湯のみで行い、刺激の強い石鹸は避けましょう。
- 通気性の良い綿100%の下着を着用しましょう。
- しつこい痒み、痛み、または見た目の異常な変化がある場合は、婦人科を受診してください。
外陰部の形は人それぞれで、「標準」というものはありません。もし不安なことがあれば、医療機関に相談しましょう。
外陰部の解剖学に関するよくある質問(FAQ)
「外陰部」と「膣」の違いは何ですか?
「外陰部」は、大陰唇やクリトリスなど、外側から見える性器全体を指します。「膣」は、体の内部にある子宮へと続く管のことです。
見た目が人によって違うのは普通ですか?
はい。大きさ、形、色、左右の対称性などは、遺伝や年齢、体の変化によって一人ひとり異なります。多様性があるのが普通です。
クリトリスにはどんな役割がありますか?
クリトリスは主に性的快感を感じるための部位で、1万以上の神経末端が集中しています。多くの女性にとってオーガズムに不可欠な役割を果たします。
外陰部の健康を保つにはどうすればいいですか?
ぬるま湯で優しく洗うこと(内側は洗わない)、綿素材の通気性の良い下着を選ぶこと、香料などの刺激物を避けることが大切です。
処女膜は「膜」で塞がっているのですか?
処女膜は実際には完全な「膜」ではなく、ドーナツ状や三日月状の「縁取り(ひだ)」のようなものです。経血が出るための穴が開いており、性経験に関わらず形は変化します。
